レーヨン生地のクリーニングはどうするのが正解?自宅での洗濯方法も紹介
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レーヨン生地は、光沢があって肌触りが良いために、ブラウスやスカートによく使われています。おしゃれアイテムとしてよく使われていますが、洗濯がとても大変というデメリットがあります。
本記事では、レーヨン生地でつくられた衣類のクリーニング方法や、自宅での洗濯方法についてご紹介していきます。
目次
そもそもレーヨンとは
レーヨンとは絹(シルク)に似せて作られた人工の生地です。少し前までは、人絹(じんけん)という別名もあり、シルクとよく似た特徴を持っています。
光沢があり、ドレープ性にも優れているので、スカートやブラウス、上着の裏地などに使われています。
レーヨン(rayon)という名前は、光を表すレイ(ray)と、綿を表すコットン(cotton)を組み合わせた言葉です。光る綿という意味の名前は、レーヨンの特徴をそのまま表しています。
レーヨン生地の特徴
レーヨン生地の主な特徴として、
- 光沢がある
- 肌触りが良い
- ドレープ性がある
などがあげられます。ドレープ性とは、体の形状に合わせて生地が形を変える性質のことです。例えば、ドレープ性が高い生地をスカートに使うことで動くたびにヒラヒラと揺れて優雅な雰囲気を演出してくれます。
シルクと比べて安価に製造できるため、昔からシルクの代用素材として使われてきました。
さらに、あまり知られていないレーヨンの特徴として、
- 触るとひんやりと冷たい
- 静電気が起こりにくい
- 消臭機能がある
などがあります。つるつるとした触り心地のレーヨンは、暑い夏でもひんやりとした感触があります。熱を伝える力が高いので、レーヨンの生地が肌に触れるとすばやく肌の熱を奪って、ひんやりと感じさせてくれるのです。
また、抵抗が少ないので静電気が起こりづらいです。他の生地とこすれてしまわないのも、レーヨンの特徴です。
そして、意外な特徴として消臭機能があります。レーヨン生地には、化学繊維生地と比べて嫌なにおいを吸収する力があるとされています。
肌着に使われていることも、納得です。
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レーヨンは木から作られた天然繊維で水に弱い?
レーヨンのことを化学繊維の一種だと考えている人は多いです。しかし、実はレーヨンは化学繊維ではありません。木材を原料とするパルプから作られています。
天然由来の成分から作られているので、土にかえすと微生物によって分解されます。そのため化学繊維と比べてエコな生地だとされています。
そして、木材から作られているからこその弱点が、水に弱いことです。
レーヨンの原料とされているパルプは、紙の原料でもあります。紙は水に濡れると破れやすくなってしまいます。レーヨンも同じように、水を含むと膨らんで破れやすくなったり、縮みやすくなってしまいます。
水分によって、染料が溶け出してシミになってしまうこともあります。
レーヨン素材のトラブルとして、洗濯したあとに輪染みができてしまうことがあります。これは、一般的にウォータースポット現象と呼ばれています。このウォータースポット現象は簡単に言い換えると水シミのことを指します。
濡れたままの生地を放置していると、生地を染めている染料が溶けて浮き上がります。そして、濡れているところと濡れていないところの境目に集まってしまいます。そのまま生地が乾くと、集まった染料がその場で定着してシミになってしまうのです。
イメージとしては、絵の具に水を足すとにじんで広がってしまうのと同じ原理です。
レーヨンはシルクとならんで特に水に弱い生地とされているので、水には十分注意が必要です。さらに、レーヨンはシルク以上に染まりやすい性質があるので、様々な染料を使って染められている事が多いです。
レーヨンの衣類を着る前には、天気予報を確認して雨・雪にぬれないようにするのがおすすめです。
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レーヨンのお手入れはドライクリーニングがおすすめ
水に弱いという弱点を持つレーヨンは、できる限り自宅での洗濯は避けたほうがいいとされています。汚れが気になったら、水を一切使わないドライクリーニングを利用してください。
ドライクリーニングとは
ドライクリーニングとは、水を一切使わないで衣類を洗う技術のことです。一般的にクリーニング、というとこのドライクリーニングのことをさします。
水を使って汚れを落とす代わりに、有機溶剤というドライクリーニング専用の洗浄液を使って洗います。有機溶剤は、石油から精製される液体です。
摩擦がかからず、生地にかかるダメージがとても少ないとされています。
例えば、水の中にティッシュを入れてグルグルかき混ぜると、ボロボロになって破れてしまいます。しかし、有機溶剤の中にティッシュを入れて水と同時間かき混ぜても破れません。
元のように1枚をきれいに広げることができます。それくらい優しく洗い上げることが可能なのです。
有機溶剤は、油に近い性質があるので、油性の汚れを落とすことに適しています。衣類についてしまったファンデーションや口紅は油性の汚れなので、ドライクリーニングでキレイにすることができます。
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1シーズンに1度はクリーニングを
大事な衣類にレーヨンが使われている場合は、ドライクリーニングを利用してキレイにすることが最も効果的です。
着用する度にクリーニングしていてはキリが無いので、定期的な利用がおすすめです。できれば、1シーズンに1度はクリーニングするようにしてください。
衣類は着用するごとに汚れが付着していきます。目に見えた汚れが無くても、汗や皮脂がついていることが多いのです。
お気に入りの服でたびたび着る機会があるのであれば、こまめにクリーニングした方が良いと思います。また、汗をかきやすい夏服の場合も、こまめにクリーニングに出すほうがおすすめです。
月に1度クリーニングを利用するくらいのほうが気持ちよく着れるでしょう。
レーヨンを自宅で洗濯する方法
レーヨンは基本的に水に弱いので、家庭での水洗いは避けた方がいいとされています。しかし、毎回クリーニングを利用していては費用もかさんでしまいます。
レーヨン製の衣類の中には、十分注意しながら洗えば、自宅でも対応できるものもあります。
自宅でレーヨンを洗濯する方法をお伝えします。
まず洗濯表示を確認する
レーヨンを洗濯する前に、絶対にするべきことは洗濯表示の確認です。
洗濯表示に、水洗いが不可と記載されている場合は自宅での洗濯はできません。ドライクリーニングを活用してください。
水洗い可と表示されている場合は、自宅でも対応できます。しかし、レーヨンが水に弱いのは確かです。少し汚れがついた程度であれば軽く濡れタオルで拭き取るだけでも十分です。
色・柄物は分けて洗濯を
レーヨンは、先程ご説明したとおり水に濡れると染料が溶け出しやすい特徴を持っています。なので、色がついている服や柄物の服は、他の衣類と一緒に洗濯すると色移りしてしまう可能性があります。
できれば別々に分けて洗濯することがおすすめです。
どうしても、他のものと洗濯したい場合は色落ちチェックをしてから洗濯してください。
- おしゃれ着用中性洗剤を服の目立たないところにつける
- 数分置いておく
- 白い布で洗剤を拭き取って色落ちしていないか確認する
この作業を行って白い布に染料がついた場合は、他の衣類と一緒に洗濯するのは避けた方が良いです。特に色落ちがなかった場合はそのまま一緒に洗濯しても大丈夫です。
洗濯するときには、必ず洗濯ネットを使用してください。
洗濯ネットには、衣類同士が絡まったり、擦れあってしまうことを避けてくれる効果があります。レーヨンから溶け出た染料が移りにくくなるので、必ず使用してください。
洗濯は、中性洗剤&優しいコースで
レーヨンを洗濯する時は、おしゃれ着用の中性洗剤を使うことがおすすめです。一般的な洗濯洗剤と比べて刺激が少なく、優しく洗い上げることができます。
生地にかかる負担をへらすことができるので、デリケート素材を洗う時の必需品です。
また、洗濯機のコースはできるだけ優しいものを選んでください。洗濯機の機種にもよりますが、ドライコースや手洗いコースなどの名前のものが、弱い力で優しく洗ってくれます。
脱水もできるだけ短くしてください。脱水は生地に大きな負担がかかります。10秒程度でも、それなりに水気を切ることができます。
干す時は平干しを
レーヨンを洗濯し終わったあとは、ハンガーにかけて干すのではなく、平干しがおすすめです。水に濡れたレーヨンは、型崩れしやすい状態です。
濡れたままハンガーにかけると、一部だけが伸びてしまうこともあるので注意してください。直射日光があたると、色あせてしまうこともあるので陰干しすることもおすすめです。
スチームアイロンには要注意
水に弱いレーヨンには、スチームアイロンは向いていません。蒸気を当てることで、せっかく乾いた生地にまた水分を与えてしまうことになるからです。
アイロンを当てる時は、生地がしっかり乾いていることを確認してから、あて布をするようにしてください。高温は生地が傷んでしまうので、アイロンの設定は中温がおすすめです。
中温設定がない場合は、大体130℃~160℃の温度になるようにしてください。
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