消臭スプレーを使いすぎるとシミになる?シミになりやすい服や原因を解説
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すぐに洗えない衣類に匂いがついてしまった時に助かるのが、消臭スプレーです。最近では、ファブリーズ、リセッシュ、ハイジアなど各社の人気ブランドが様々な製品を出し、テレビCMもさかんに放送されています。
しかし、これらの消臭スプレーを使いすぎると、衣類にシミをつけてしまう場合があります。シミ以外にも、服の生地がゴワゴワになってしまったり、重たくなったりするリスクがあります。
消臭スプレーの使用によって、シミができてしまう原因と対策、正しい消臭スプレーの使い方についてご説明します。
目次
消臭スプレーを使うとシミになってしまう服
近年発売されている消臭スプレーは、衣類についた嫌なにおいをおさえるためだけでなく、除菌効果がプラスされているものも多いです。
P&Gが発売しているファブリーズの販売宣伝文句に、「ファブリーズで洗おう」というものがあるように、多くの方が毎日は洗えないけれど汚れが気になる衣類に消臭スプレーを使っています。
しかし、それらの頻繁に洗えない衣類こそ、消臭スプレーを多用するとシミができるリスクがあります。
水に弱い生地でできた衣類、ネクタイなどに注意
ファブリーズの公式サイトには、使用上の注意として以下のような記述があります。
ファブリーズは、絹やレーヨンなど、もともと水に弱い布を除いた、あらゆる布製品にお使いいただけます。
正しくご利用いただけば、しみや縮み、色落ちなどはありませんが、心配なときは、目立たないところで試してからお使いください。
消臭スプレーの成分の多くは水です。水に弱い素材に消臭スプレーを使用すると、傷んでしまったり、ゴワゴワした手触りになってしまいます。
特にシルクやレーヨンといった素材は水に弱く、シミになりやすく、雨にぬれただけでも跡が残る場合があります。
シルク製の衣類として、特に注意したいのがネクタイです。
ネクタイは、多くがシルクなど天然繊維で作られています。また、自宅で洗えないものなので、たまにクリーニングに出して、あとは自宅で消臭スプレーをかけるだけという方が多いアイテムでもあります。
体の正面につけるネクタイは、その人のイメージを大きく左右します。念入りに選んだお気に入りのネクタイでも大きなシミができてしまっては、もう使えません。
匂いを気にして消臭スプレーをたくさん吹きかけるのではなく、定期的なクリーニングと使用後の陰干しなどでお手入れするのがおすすめです。
いますぐに匂いを消したい場合は、裏地や目立たないところに少量スプレーをかけて少し時間を置き、シミにならないことを確認してから使用してください。
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自宅で洗えない服、毎日着るスーツは要注意
水洗いができない衣類にも注意が必要です。
スーツや制服、おしゃれ着のワンピースなどは、水洗いができず自宅で洗濯できない場合が多いです。
すぐに洗えないからこそ、においをおさえて除菌までしてくれる消臭スプレーを使用したくなりますが、逆効果になってしまう場合があります。
自宅で洗えない服には、当然汚れがたくさんついています。汚れの上から消臭スプレーをかけると、スプレーの成分が汚れをコーティングしてしまい、あとからシミとして浮き出てくる場合があります。
汚れがついていればついているほど、シミになりやすいので、毎日 着ているスーツや制服には特に注意してください。
その他にも、
- 革製のもの
- ウール・カシミヤなど獣毛のもの
- 着物
などは、シミ・縮み・色落ちなどが起こってしまう可能性があるので十分注意します。使用する場合は、目立たないところに少量吹きかけ、数時間置いてもシミにならないのを確認してから使用してください。
また、着用後すぐで、汚れが付着している場合は使用を避けた方が良いです。
すでに汚れがたくさんついている服・においの強い服
目に見えて汚れがついている服や、強いにおいを発している服に使用するときも注意が必要です。
消臭スプレーは、多少のにおいであれば化学反応によって消臭したり、除菌ができます。しかし、あくまでにおいをおさえているだけで、原因となった汚れやにおいの元を落としているわけではありません。
におい・汚れを元からなくすには、原因となっている成分を洗い流す必要があります。
汚れ・においの元が残ったまま消臭スプレーをかけると、一時的ににおいは収まりますが、後からまたにおいが戻ってくる場合があります。
そのにおいをおさえるためにもう一度スプレーをかけると、かけた時はおさまりますが、しばらくするとまたにおいが発生して、と悪循環に陥ってしまいます。
見るからに汚れている、においが強い場合は、消臭スプレーだけで対策するのではなく、洗濯やクリーニングを利用するなど、汚れ・においの原因を元から断つのがおすすめです。
消臭スプレーでシミができる原因
消臭スプレーによるシミは、決して珍しいものではありません。とあるクリーニング店の職人さんによると、年に100件近くは持ち込まれる、よくあるシミなのだそうです。
クリーニング店に衣類を持ち込んだお客さんも、決して特別な使い方をしていたり、1回の使用量が多かったわけではありません。
つまり、消臭スプレーを使っていれば誰にでも、シミをつくってしまうリスクがあるのです。
香りで匂いをごまかす・化学反応で中和、2つのタイプ
消臭スプレーには大きく分けて、2つのタイプがあります。
- 芳香剤に近く、良い香りでにおいをごまかすタイプ
- 化学反応を活用してにおいを軽減するタイプ
現在消臭スプレーとして販売されているものの多くが1つ目の、芳香タイプです。嫌なにおいの上から良い香りのするものを吹きかけると、「臭いものにフタ」をして改善するものです。
こちらのタイプは、いい香りがするので愛用されるケースが多いのですが、芳香成分が切れると、当然もとのにおいが戻ってきます。
においがまた戻ってきたから、もう一度スプレーをかける、しばらくして匂いがもどってもう一度、と繰り返しているうちに、衣類の表面に消臭スプレーの成分の膜ができてしまいます。
衣類の表面に、匂いの元となる汚れが乗っていて、その上に膜ができてしまうので、衣類と消臭スプレーの膜で汚れを挟み込む形となります。
そのせいで、衣類の表面に汚れが浮き出てシミになってしまうのです。
芳香タイプの消臭スプレーのデメリットとして、消臭効果が薄いので、何度も繰り返して使用してしまう点があります。
お気に入りの香りが衣類からふんわりと漂ってくるのは気分もよくなりますが、その一方で汚れをコーティングしてしまうリスクがあるのです。
消臭スプレーのもう一つのタイプとして、化学反応でにおいを軽減するタイプがあります。
服の嫌な匂いの原因は、大きく分けて、酸性のものとアルカリ性のものがあります。
化学反応を活用した消臭スプレーは、酸性の汚れにはアルカリ性の有効成分を使って中和させ、アルカリ性の汚れには酸性の有効成分で中和させて、においをおさえます。
香りでごまかさず、化学的に匂いをおさえこむので、芳香タイプよりも効果的だと感じる方も多いのです。しかし、においをおさえているだけで、根本的な原因である汚れを落とせるわけではありません。
汚れが残ったままの状態で、上から水分たっぷりのスプレーをかけ続けると、菌の繁殖をうながし、汚れがシミとなるのを助けてしまうのです。
実際にクリーニング店に持ち込まれた消臭スプレーによるシミ事例
消臭スプレーが原因でシミができたという例には、さまざまな背景や理由があります。いくつかのケースをご紹介します。
レーヨン製の衣類は、自宅で洗えず、頻繁にクリーニング店に持っていくことも無かったので、普段は着用後消臭スプレーを全体に吹きかけてお手入れをしていた。
ある日いつものようにスプレーを吹きかけたら、胸のあたり全体に油ジミのようなシミができてしまった。
こちらのケースは、水に弱いレーヨン製の衣類に消臭スプレーを吹きかけた結果シミになってしまったものです。
スプレーに多く含まれる水分のせいでシミができてしまうだけでなく、たまった汚れがスプレーによって浮き出てきて、シミになったようです。
夏に着ていたスーツジャケットの、脇の部分のにおいを気にして消臭スプレーをかけていたら、汗ジミができてしまった。
こちらはスーツのジャケットの脇部分に消臭スプレーをかけてシミになってしまったケースです。
汗をかきやすい脇や首などの部分は特ににおいが気になって、念入りにスプレーをかける方も多いのではないでしょうか。
汗の中には、皮脂や汚れの成分があり、それらの成分と消臭スプレーが反応し合ってシミになってしまう場合があります。
スーツのにおいが気になる場合は、汗抜き加工などのコースをクリーニング店でお願いすると、においの原因を取りのぞけます。
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消臭スプレーが原因でできるシミ対策
消臭スプレーでシミができてしまった場合の解決策としてもっとも有効なのは、クリーニング店でしみ抜きしてもらうことです。
また、消臭スプレーをかしこく使うと、シミになるリスクを下げ、効果を最大限に活用できます。
シミができてしまったらクリーニング店でシミ抜きを
消臭スプレーを使用してシミができてしまったら、まずクリーニング店に持ち込んでシミ抜きをしてもらうのがおすすめです。
自分で漂白剤などを使ってシミ抜きしようとすると、色落ちしたり、まだらになってしまう場合があります。消臭スプレーが原因のシミは、元々の汚れの上にスプレーの成分が膜を張ってできてしまいます。
シミの原因が一つではないので、素人がシミ抜きしようとすると失敗してしまうケースが多いようです。
自力で何とかしようとするのではなく、プロにお任せした方が、確実にきれいにシミを落とせます。
定期的に洗濯・クリーニングして汚れを落とす
消臭スプレーによるシミができないようにするために、一番効果的なのが汚れを落とすことです。
汚れの上から、消臭スプレーをかけるために汚れが浮き出てシミができてしまうので、原因である汚れを取りのぞくと、シミの発生は大幅におさえられます。
多くの消臭スプレーは、注意書きや公式サイトのQ&Aに、「汚れがある衣類には使用しない」「汚れを落としてから使用する」などの表記があります。
しかし実際は、汚れをおとせないからこそ、消臭スプレーで対応している方がほとんどかと思います。
私自身、洗えないから消臭スプレーに頼っているのに、使う前に洗えと言われてもどうすれば良いのか、と感じました。
自宅で洗える服ならまだしも、クリーニングでしか洗えない服を、着用するごとにクリーニング店に持っていくのは大変です。
毎回ではなくても、今よりもクリーニング利用の頻度を高くし、定期的に洗うことで、汚れがたまっていくのを抑えられます。
汚れがなくなれば、嫌なにおい自体も抑えられるので消臭スプレーの使用も減らす事ができます。
クリーニング店に衣類を持っていくのが難しい場合は、自宅で梱包して渡すだけでクリーニングが完了する宅配クリーニングの利用もおすすめです。
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着用後には陰干しでニオイ対策
消臭スプレーに頼らず、風通しの良い場所で衣類を干しておくだけでも、においをおさえられます。
タバコや食べ物のにおいは、風に当てるだけでも軽減できます。脱いだ服を、衣類用ブラシで2~3回ブラッシングして表面についた汚れを落としてから、風通しの良い場所に干しておくと半日ほどでにおいは飛びます。
また、におい成分は水に溶け出す性質があるので、お風呂場など湿気の高い場所に干すことでも効果があります。しつこい臭いの場合は、スチームアイロンの蒸気を当てるのも効果的です。
熱と蒸気の2つの効果で、においを飛ばせます。
消臭スプレーはにおいをおさえてくれる私達のマストアイテムですが、むやみに頼りすぎると衣類にダメージを与えてしまいます。使用頻度を減らし、緊急時のレスキューアイテムとして使うと、効果を最大限に発揮してくれます。
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