スーツをクリーニングする時におすすめのオプション加工とは?キレイを長持ちさせる裏技
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スーツをクリーニングする時、いつもなんとなく「お願いします」とだけ伝えていませんか。通常のドライクリーニングだけでも、スーツは十分きれいになります。
しかし、クリーニング店では様々なオプション加工を取り扱っていることが多く、そのほとんどがスーツに適したものなのです。
オプション加工を足すだけで、スーツのニオイ対策をしたり、生地を長持ちさせたりすることが可能です。
本記事では、スーツクリーニングに追加するだけで、スーツをよりキレイに着ることができる、おすすめの、3つのオプション加工について説明します。
目次
汗抜き加工でにおい対策を
スーツで特に気になる悩みとして、においがあります。スーツは、毎日着ていながら、家庭では洗えないため、においが気になることがあります。
暑い夏には、誰もが汗に気を使うのでそこまで重症化することはありませんが、冬にはそれほど気を使いません。実は、意外と冬にも汗はかくのです。
冬には、夏ほどていねいにケアすることもないので、気づかないうちに汚れがたまってしまいます。さらに、通常のドライクリーニングだけでは、スーツに残る汗汚れを落とすことはできないのです。
汗抜き加工は、ドライクリーニングとは違う洗い方で、スーツに残る汗汚れをきれいに落としてくれます。汗の臭いだけでなく、タバコのにおいにも効果があります。
汗のにおいはドライクリーニングでは落ちない
汗くささが気になっていたものの、ドライクリーニングに出しても改善しなかった、と感じる方も多いです。実は、ドライクリーニングではにおいの元を落とすことは難しいのです。
ドライクリーニングでは、有機溶剤と呼ばれる専用洗剤を使って衣類を洗います。有機溶剤とは、石油に似た液体です。水よりも衣類にかかる負担が少ないので、水洗いできない衣類も型くずれさせずに洗うことができます。
しかしその一方で、水溶性の汚れにはあまり強くないことも知られています。
汗のいやなにおいの原因は、雑菌です。通常は、かいたばかりの汗は無臭ですが、汗の汚れ成分をエサに菌が増えていきます。
増えた菌が、汗に含まれる皮脂やタンパク質を分解する際に発するにおいが、汗臭さの直接の原因です。
汗のにおいを落とすためには、まず汗とともに皮脂やタンパク質を取り除くことが重要です。皮脂やタンパク質は水溶性の汚れで、水によく溶けます。
しかし、ドライクリーニングでは水を一切使いません。だから水溶性の汚れにあまり効果が無いのです。
そのため、ドライクリーニングだけではなかなか汗の匂いをすっきりさせることはできません。
汗抜き加工は、においの元を洗い流す
汗抜き加工は、ドライクリーニングでは取れない汚れを取るのに適したオプション加工です。同じ汗抜き加工でも、何種類かの方法があり、具体的には
- 薬剤を使って汗汚れを落とす
- ドライクリーニングを行ったあとに、もう一度水洗いで洗う
方法があります。おすすめは、ドライクリーニングを行ったあとに水洗いを行う方法です。この洗い方は、「汗抜き加工」という他にも「Wクリーニング」などの名称で呼ばれることもあります。
ドライクリーニングを行って油性の汚れを落としたあとに、水洗いをすることで水溶性の汚れを落とします。
職人さんが細心の注意を払って、水洗いをしてくれるので、通常水洗いができない衣類でも縮んでしまうことはありません。
これは、ドライクリーニングと水洗い両方のメリットのいいとこ取りをできるので、おすすめのオプションです。
一方、薬剤を使った汗抜き加工は、根本から汚れを取り除く方法ではありません。強力な消臭スプレーをかるのと同じような効果です。
原因を洗い流すわけではないので、におい戻りが起こってしまう場合があります。また防臭効果も長くありません。
汗抜き加工を依頼するときには、水洗いを行ってくれるかどうかを事前に確認しておくと良いです。
汗抜き加工はタバコのにおいにも効果的
汗抜き加工は、タバコのニオイ対策にも適しています。タバコの臭いの原因も、汗のにおいと同じく水溶性の汚れです。水洗いをすることで、においをスッキリ消すことができます。
これは、汗の臭いが気になるときだけではなく、タバコのにおいがスーツについてしまったときにも効果的なオプション加工です。
汗やタバコだけでなく、外食した時の煙の匂いがついてしまったときにもおすすめです。
ニオイ成分の大半は水溶性のものなので、においが気になったときには、汗抜き加工をしておくと良いかと思います。
あわせて読みたい:
汗抜き加工を使ってドライクリーニングでも取れないスーツのにおいを取る方法
シロセット加工で折り目をはっきり
シロセット加工とは、スーツやプリーツにくっきりとした折り目をつける加工です。日々のアイロンがけやズボンプレスだけでは、どんどんズボンの折り目が取れていきます。
シロセット加工をすれば、折り目がはっきりつく上に、長持ちします。
シロセット加工は衣類のパーマ
シロセット加工は、髪にかけるパーマとよく似た原理で行う加工方法です。羊毛を多く生産するオーストラリアで、ウール製品を展開する過程で開発されました。
- 加工液を生地につける
- 折り目をつける
- プレスをして折り目を固定する
といった工程を経て、加工されていきます。
髪にパーマをかけるときも、パーマ液で髪を柔らかくしてからカールをつけ、時間をおいてから洗い流していきます。
これは、生地に含まれるタンパク質の特性を活かした加工方法です。シロセット加工液は、繊維の中のタンパク質同士のつながりを弱めます。
繊維がやわらかくなっている間に成形し、プレスで熱を与えます。タンパク質には、熱が加わると固まる性質があります。プリンや茶碗蒸しなど、卵が入った液体を蒸して温めると固まるのは、卵にタンパク質が豊富に含まれているからです。
熱を与えられた生地は、折り目がついた状態で再度かたまります。こうすることで、パーマと同じように何ヶ月も効果が続くようになります。
いうなれば、
- アイロンでの折り目付け:ヘアアイロン・コテでのヘアセット
- シロセット加工による折り目付け:パーマによるヘアセット
といった感じです。ヘアアイロンを使っても一日経てば髪型は崩れてしまいますが、パーマによるセットは数ヶ月保ちます。
何度もアイロンがけやズボンプレスをする面倒を考えると、シロセット加工はとても手軽なのです。
綿や麻にも利用できる加工技術
シロセット加工はとても便利なオプション加工なのですが、その特性上タンパク質を豊富に含む生地にしか利用できません。
人間の髪の毛とよく似た成分の、ウールやカシミヤなど獣毛類に加工ができますが、綿や麻などの素材には使うことができません。
綿や麻など獣毛以外の素材に折り目をつけたいときには、リントラク加工という方法もあります。
リントラク加工とは、生地に薄く樹脂の膜を張り、固定させる加工方法です。塗りつける時は液体ですが、冷えると固まります。冷える前に成形しておけば、折り目がくっきりとつきます。
イメージとしては、ジェルで髪の毛を固めるように、少しパリッとした手触りになります。
シロセット加工よりもダメージが少なく、折り目の持ちも良いとされています。
ただし、折り目が鋭くなりがちなので、ソフトでふんわりとした折り目が好みの方にはあまり向いていません。
あわせて読みたい:
シロセット加工とは? クリーニングの折り目加工のメリットや原理を解説
汚れを寄せ付けない撥水(はっすい)加工
撥水加工は、衣類が水を弾くよう専用薬剤でコーティングする加工です。雨や雪に濡れたときにも、水を弾いてくれます。悪天候が続く梅雨時や台風の時期、雪が降る冬におすすめのオプション加工です。
ただ水を弾いてくれるだけでなく、汚れがつきにくくなる効果もあるので、汚したくないスーツにもおすすめです。
撥水加工で雨・雪からスーツを守る
撥水加工の一番のメリットは、衣類を雨や雪から守ってくれることです。撥水加工をしていると、水が水滴になって、丸まって生地を滑り落ちていきます。
雨や雪が降ったとしても、軽く払うだけで水気を切ることができるので便利です。
最近では、家庭用の防水スプレーがたくさん販売されています。撥水加工ではなく、スプレーをすればいいのではないかと感じる方も多いのですが、市販品は十分ではありません。
自分でスプレーをすると、どうしてもムラができてしまったり、量が少なくてうまく水を弾いてくれなかったりします。
クリーニング店の撥水加工では、衣類全体を薬剤につけてコーティングします。ムラも加工残りもないので、全体が均等に撥水するようになります。
濡れやすい、ジャケットやコート、パンツにおすすめです。
汚れも弾いてくれる撥水加工
撥水加工のメリットは、水を弾いてくれることだけではありません。衣類全体がコーティングされていることから、衣類を様々な汚れから守ってくれます。
特に水気を含んだ汚れを弾いてくれるので、
- 食べ物の汚れ
- 飲み物の汚れ
などに有効です。スーツを着て飲食する場面は多いので、食べこぼしや飲みこぼしのリスクもあります。撥水加工をしておけば、汚れは生地の内部まで染み込んでいきません。
汚れ防止のための撥水加工は、汚れやすいジャケットやネクタイなどに利用するのがおすすめです。
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