万能シミ抜き液「なんでもとれーる」で、不入流(いらずりゅう)洗濯を家庭で実践する方法
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不入流とは、「いらずりゅう」と読みます。
不入流とは、クリーニングのシミ抜き技術の流派です。
どんなシミでも落とせると評判の技術で、1981年に高橋勤さんによって開設されました。
不入流の創設者である高橋さんがテレビ番組で紹介した家庭でも簡単に作れる万能シミ抜き液が、とても効果的だと話題を呼んでいます。
このシミ抜き液は、不入流内で「祖主スペシャル」と呼ばれているものです。実際にクリーニング店でも使われています。
TV番組内では、その洗剤に「なんでもとれーる」と馴染みやすい名前をつけていました。このなんでもとれーるは普段私達が悩まされる頑固なシミでも簡単に落とせます。
「なんでもとれーる」の作り方や使い方、シミが落ちる原理についてご説明します。
目次
なんでもとれーるは1,000円以内で作れる
なんでもとれーるは、3つの材料を混ぜるだけで作れる万能シミ抜き液です。
材料はどれも薬局やドラッグストアで買えるものばかりなので、手軽に作ることができます。
なんでもとれーるの材料
なんでもとれーるに必要な材料は以下の3つです。
- 固形石けん
- 重曹
- アンモニア水
石けんはご自宅にある洗濯石けんで構いません。普段使っているものをそのまま材料にします。
重曹も家にあるもので大丈夫です。もし家になくても、100円ショップで購入できます。100円ショップなら少量から購入できるので、ほかに使う予定がなくても無駄になりません。
アンモニア水は、ホームクリーニング用品として薬局やドラッグストアで買えます。100mlあたり400円程の価格です。
これら3つの材料は、すべて新しく買いそろえたとしても1,000円以内でおさまります。
なんでもとれーるの作り方は、この3つを石けん3:重曹2:アンモニア水1の割合で混ぜるだけです。
その際、石けんはおろし金で削って粉末状にする必要があります。
わざわざ粉末にするのが面倒な場合は、最初から粉末状にされた石けんも安価で販売されています。
なんでもとれーるの作り方は
- 粉末状の石けん:3
- 重曹:2
- アンモニア水:1
を混ぜるだけ。
歯ブラシで叩きこんで使う
なんでもとれーるを使ったシミ抜き方法は、とてもシンプルです。
- シミに、古い歯ブラシでなんでもとれーるを叩きこむ
- 30分ほど置いておく
- 水でしっかりすすぐ
- いつもどおりの洗濯をする
なんでもとれーるを古い歯ブラシに取り、シミの上にのせていきます。このとき、ゴシゴシとこすりつけると生地を傷めてしまいます。
シミの上からトントンと叩き込むように浸透させていくのがコツです。しばらくするとシミの汚れが浮いてくるので、そのまま30分ほど置いておきます。
30分後、しっかりと洗い流してから通常どおりの洗濯をします。
なんでもとれーるを作るときに色がついたタイプの石けんを使えば、きちんとすすげているかの確認も簡単です。
なんでもとれーるを使ったシミ抜き方法
なんでもとれーるは、様々なタイプの汚れに対応したシミ抜き液です。他のアイテムと組み合わせることで、より洗浄力を高められます。
その具体例をいくつかご紹介します。
シャツのえり、そでには大根を活用
シャツのえりやそでは一日着ただけでもシミになり、洗濯洗剤だけではなかなか落とすのが難しいです。
汗や皮脂だけでなく、たんぱく質の汚れもついてしまうことが原因です。
そんなシャツの汚れには、大根を活用したシミ抜き法が有効です。
- 切った大根に碁盤の目状に切り込みを入れる
- 大根になんでもとれーるをつけ、シミの部分をこする
- 30分つけおきする
- よくすすいでから、通常の洗濯をする
この一手間を加えると、シミをきれいに落とせます。
その理由は、大根に含まれているジアスターゼという酵素にあります。
ジアスターゼはタンパク質を分解する酵素です。
焼き魚に大根おろしが添えられているのは、魚のタンパク質消化を助ける役割があるからです。
ジアスターゼの効果で、タンパク質で固まった汚れも分解、洗浄できます。
スーパーなんでもとれーるで黄ばみとり
黄ばんだまま放置されたシミは、色素が沈着していてなかなか落としきることができません。
そこで、オキシドールをなんでもとれーるに加えると、衣類の白さを取り戻す効果がアップします。
オキシドールは、衣類の漂白剤として使われているものです。そのほか、傷口の消毒や殺菌にも使えます。
開発者の高橋さんは、このオキシドールを足した洗剤に「スーパーなんでもとれーる」と名前をつけています。
オキシドールは薬局やドラッグストアで100mlあたり300円~400円前後で販売されています。余ってしまっても、傷口の消毒に使ったり、トイレや台所の殺菌剤としても使えるので無駄になりません。
スーパーなんでもとれーるを、黄ばんだシミにのせ、歯ブラシで叩いていきます。
そのままオキシドールの漂白成分が浸透するのを待ち、30分ほど経ったら洗い流します。
あとは通常どおりの洗濯をすると、シミをきれいに落とすことができます。
スーパーなんでもとれーるの注意点として、オキシドールは消毒液として使われる毒性の低い液体ですが、劇物です。口に入っても無害な物質に分解されますが、眼に入ると強い刺激があります。取り扱う際は十分注意してください。
圧力鍋を使った靴下の黒ずみの落とし方
お子様のいる家庭で困るシミが、靴下の黒ずみです。
靴下の黒ずみの原因は、強い圧力でこすりつけられた汗や皮脂です。足の裏は体重を乗せる場所なので、常に強い力がかかり、その力が繊維を奥までしみ込ませてしまいます。
靴下の黒ずみを落とすために便利なアイテムが圧力なべです。
シミ抜きの手順は以下のとおりです。
- 靴下の汚れた部分になんでもとれーるを塗りこんで、圧力なべに入れる
- 靴下が沈む程度に水を入れる。
- 削って細かくした固形石鹸(粉末石けんでも良い)を入れる
- 火をつけ圧力をかける。
- 5分経ったら火からおろし、水ですすぐ
- 通常どおりの洗濯をする
圧力なべは、具材にはやく味をしみ込ませることができる調理器具です。その特徴を活かして、洗浄成分を素早く汚れに浸透させることができます。
熱と圧力を同時に与えるため、しみ込んだ汚れを浮かす効果もあります。
圧力なべを使ったシミ抜き方法は、色物には使えません。高温のお湯を使った洗浄は、色落ちの原因となるので注意してください。
またこの方法でシミ抜きを行った後は、十分になべの洗浄を行ってください。
万能シミ抜き液の効果
なんでもとれーるの材料となっている3つのアイテムは、そのすべてが単体でシミ抜き効果のあるものばかりです。
その効果はプロも認めていて、実際にクリーニング店でのシミ抜きにも使われています。
材料である石けん、重曹、アンモニア水それぞれ異なる特徴があり、適した汚れがあります。
石けんは、シャツのえりやそで汚れを落とすのに使われています。洗濯する前に汚れた部分に塗っておけば、そのあと洗濯機で洗うだけで頑固な汚れを落とす効果があります。
汗や皮脂汚れを浮かせるので、ワイシャツや肌着の黄ばんだシミを落とすのに適しているのです。
重曹もシミ抜きによく使われているアイテムです。重曹は石けんと同じく、汗や皮脂汚れを落とす効果があります。
重曹水を触るとぬるぬるすることがありますが、これは重曹のたんぱく質を分解する特性が関係しています。手の皮脂やタンパク質が分解されるため、ぬるぬるとした感触になります。
ですので、重曹水は直接触りすぎると手荒れの原因にもなります。洗濯で利用する際は、手袋を併用するなどの対策が必要です。
重曹はたんぱく質汚れを浮かせるので、食べこぼしのシミをきれいに落とせます。
3つめのアンモニア水も、実は洗濯で使えるアイテムです。
すぐに蒸発してしまう揮発性の液体なので、丸洗いが難しいコートや制服などのホームクリーニングに使われています。
布につけて拭き洗いをすると、皮脂汚れを落とせます。石けんと合わせると、石けんの洗浄能力を高められるのも特徴です。
アンモニア水は大量に吸い込むと咳き込んでしまうので、扱うときは顔に近づけすぎないようにしてください。風通しの良いところで取り扱うのもポイントです。
石けん、重曹、アンモニア水の3つの共通点は、「アルカリ性」であることです。
洗濯洗剤の多くは「弱アルカリ性」です。洗濯物の汚れは酸性が多いからです。アルカリ性の洗剤は酸性の汚れを中和し、落とします。
食べこぼしの油や、果物ジュース、ワインなどが代表的な酸性の汚れです。
またアルカリ性洗剤は酸性の臭いを中和して落とすこともできます。
なんでもとれーるは、洗浄効果の高いアルカリ性のアイテムを合わせたハイブリッド洗剤なのです。
落ちないシミは不入流(いらずりゅう)に依頼を
なんでもとれーるを活用してもどうしても汚れが落ちない場合は、プロに任せると確実なシミ抜きをしてくれます。
シミは時間が経つほど落としにくくなっていくので、早めにお店に出すのがおすすめです。
なんでもとれーる開発者の高橋さんが創設した不入流(いらずりゅう)では、シミ抜きの依頼を受け付けています。
あわせて読みたい:
シミ抜き流派の不入流(いらずりゅう) サービスや家庭で使えるシミ抜き液を紹介
不入流は、着物やブランド衣類のシミ抜きが専門の会社です。私たちが気軽に利用するには抵抗があるかもしれません。
一般衣類のシミ抜きをしてほしい場合は、全国に不入流の看板を掲げるクリーニング店があります。
不入流の看板は、厳しい試験を突破した人しか掲げることができないので、どのお店も高い技術が保証されています。
ホームクリーニングと、プロのクリーニングを併用すると、より衣類を清潔に保てます。
あわせて読みたい:
魔法水でシミ抜きのプロのワザを自宅で簡単に実践する方法とは?
4件のコメント
油絵の具がカッターシャツに付いてしまったんですが、万能シミ抜き液で落ちますか?
万能シミ抜き液は、汗や皮脂といった水溶性の汚れをよく落とします。一方、油絵の具は油性の汚れであるため、十分にシミが取れない可能性があります。
絵の具が完全に乾ききっていない状態であれば、洗濯用の固形石鹸で洗い流せます。
もし、すでに絵の具が乾ききっているのであれば、食器用洗剤やクレンジングオイルなど油を浮かす効果のある洗浄料を使ったほうが効果的です。
長い間、クローゼットに掛けたままだったパンツの黄ばみは落ちますか⁉️
ドライ物でも家で落とせますか⁉️
クローゼットなどで保管中に浮き出た黄ばみは、専門用語で酸化黄変と言います。収納前には見えない状態だったシミが、長い時間をかけて酸素と結合し、黄色く変色する現象を指します。
この黄ばみは非常に強力で、ご自宅では落とすのは非常に難しいと言われています。ドライクリーニングしかできない衣類だと生地がデリケートなため、なおさらご自身でのシミ取りのリスクが非常に高いです。
できれば、プロにお任せすることをおすすめします。
無料シミ抜きサービスがある宅配クリーニングをまとめた記事があるので、よければ参考にしてみてください。