おむつを洗濯したとき塩や重曹を入れるのは危険、安全に付着物を取る方法

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おむつを洗濯したときの対処法

子育てや介護をしているとたまに発生する大事件が、おむつを洗濯してしまうことです。

紙おむつには、水分を吸収するために、高分子吸収材(ポリマー)と呼ばれるものが入っています。ポリマーは、水を吸うとゼリー状に膨らみます。

洗濯して水で濡れたり、他の衣類との摩擦で表面が破れると、なかのポリマーが飛び出します。一度他の衣類に付着するとなかなか取れません。

ネットでおむつを洗濯してしまったときの対処法について検索すると、「塩をかければポリマーが溶ける」「重曹をかければ取りやすくなる」などの情報がたくさんでてきます。

しかし、塩や重曹をかける方法は、おすすめできません。洗濯機の故障につながる可能性が高いからです。その証拠に、大手おむつメーカーは、どの会社も塩を使った方法を推奨していません。

塩や重曹はなぜおすすめできないか

洗濯物におむつが付着したとき、塩や重曹を使って取り除く方法がおすすめでない理由は、3つあります。

  • 洗濯機の故障につながる
  • 洗濯物が傷む
  • そもそも大きな効果はない

洗濯機や衣類にダメージを与えてしまう可能性が高いわりに、大きな効果が得られません。

洗濯機や衣類が傷む

塩や重曹を使って、洗濯物についたポリマーを取り除くと、洗濯機や衣類に大きなダメージがかかる可能性があります。

特に塩を使った場合、洗濯機がさびる原因になります。濃度が高い塩水の影響で、洗濯機が故障することも考えられます。

衣類に塩水が触れるのも、素材にダメージを与えるので避けた方がよいです。繊維が塩分に反応して縮んだり、色落ちするリスクがあるからです。

塩がだめでも重曹なら大丈夫だと思うかもしれませんが、重曹も洗濯槽内を傷つける可能性があるので、避けた方がよいです。

塩や重曹に劇的な効果はない

ネットの口コミを見てみると、「塩を使えば、付着したおむつが簡単に取れた」という人がたくさんいます。

しかし、塩をかけるだけで、付着したおむつが簡単に取れるようになるわけではありません。そもそも、塩や重曹に、おむつの素材と服を分離する効果はありません。

というのも、おむつがついた洗濯物に塩をかけると、浸透圧によって水分がおむつから抜けます。

塩の方へ水分が移動すると、水を吸ってベタベタになったポリマーが乾燥し、固まります。ポロポロとした固形にまとまるので、取り除くのが楽になります。

浸透圧とは、濃度の違う水が隣合わせになったとき、濃度を一定に保つために、濃度が低い方から濃度が高い方へ水分が移動する性質を指します。

おむつと塩のケースでは、濃度の濃い塩水を薄めるために、おむつの水分が塩水の方へ流れていきます。

重曹を使った場合も同じです。

つまり、塩や重曹を使った場合、ポリマーが固まって、濡れたままのときよりも取りやすくなるだけでしかないのです。大きな変化があるわけではありません。

「少しポリマーが取りやすくなる」程度の効果のために、衣類や洗濯機にダメージを与えるかもしれない方法を使うのは、おすすめできません。

避けた方が良い洗濯方法

口コミのなかには、「塩を使えばポリマーが溶けるので、洗濯したおむつをそのまま下水に流せる」といったものがあります。これは絶対にやめてください。

塩や重曹を使っても、ポリマーが溶けることはありません。水分が抜けて小さく固まりますが、完全になくなるわけではありません。また水を吸えば、もとの大きさに戻ります。

下水に流すと、つまる原因になります。

乾燥させる方法が安全

塩や重曹がだめなら、どうすればよいのかというと、「乾燥させる」のが安全かつ確実な方法です。

おむつを除去するために塩や重曹を使う理由は、「おむつのポリマーから水分を抜く」ためでした。つまり、同じように水分を抜けば、ベタベタと付着したポリマーを除去しやすくなります。

衣類を乾かして水分を蒸発させれば、ポリマーが固まるので、はたくだけで落とせるようになります。

時間はかかりますが、簡単で安全な方法です。大手おむつメーカーも、乾燥させてから除去する方法を推奨しています。

ただし、乾燥させる方法や手順を間違えると、洗濯機を故障させたり、うまく除去できない可能性があります。

正しい手順をお伝えします。

乾燥で洗濯物についたおむつを取る方法

衣類を乾かして付着物を取る場合、衣類についた付着物と洗濯機内についた付着物の両方を考えなくてはなりません。

衣類についた付着物を除去しても、洗濯機内におむつが残っていては意味がないからです。

除去方法のおおまかな流れは以下のとおりです。

  1. 衣類を洗濯機内から出して水洗いをする
  2. 洗濯機のクズ取りネットに入ったおむつを取り除く
  3. 洗濯槽内についたおむつをティッシュを使って取り除く
  4. 軽く水洗いした衣類を洗濯機内に戻し、脱水する
  5. 衣類を乾かして、細かい付着物を取る

まず、衣類を取り出して、大きな付着物を洗い流します。このとき、おむつが下水に流れないよう注意が必要です。

その次に、洗濯機内をきれいにします。くず取りネットにはいったものを取り除き、洗濯槽内にこびりついたものはティッシュで取ります。

時間があるなら、洗濯槽内を乾燥させれば、ポリマーが固まるので除去しやすくなります。

一度でポリマーが取り切れなかった場合は、水をためてすすぎます。大きなかたまりさえ除去できていれば、水を流してもつまることはありません。時間に余裕があれば、排水ホースの掃除もしておくとよいです。

洗濯槽内がきれいになったら、水洗いした衣類を戻し、脱水します。脱水後、洗濯物を干して乾かせば、付着したちいさなポリマーが固まります。

振り落とすだけでも十分取れますが、粘着テープを使えば、さらに念入りに取り除けます。衣類用ブラシもおすすめです。

脱水作業は、洗濯機を使うのがおすすめです。手でしぼると、服の繊維のなかにおむつの素材が入り込み、取りにくくなります。

おむつが付着した洗濯ものに洗い直しは必要?

おむつに使われる素材は、どれも直接肌に触れても問題ありません。もう一度洗濯しなおす必要はありません。

しかし、気になる場合は、大きなかたまりを除去した上で洗濯するとよいです。

おむつメーカーがすすめる除去方法

以下に、大手おむつメーカー公式サイトに記載された、おむつを洗濯したときの対処法をまとめました。こちらも合わせて参考にしてみてください。

紹介するメーカーは、以下の3社です

  • パンパース
  • 花王(メリーズ)
  • エリエール(グーン)

パンパースの場合

高分子吸収材が付着した衣類は水中でよくすすぎ、できる限りふり落として下さい。

手絞りは、高分子吸収材や綿状パルプが繊維の中に入りやすくなるため、脱水機で軽くしぼるようにして下さい。

その後、衣類を十分乾燥させ、よく振って付着している高分子吸収材を振り落として下さい。ブラシや粘着テープを使うと 比較的取り除きやすくなります。

パンパース公式サイト

メリーズの場合

1.脱水後、乾燥する前にブラシ等で落としてください。粘着テープでも取り除くことができます。

2.乾燥させた後もまだ残っている場合は、再度ブラシ等で落とすか衣類をよくふって落としてください。

3.その後、時間的に余裕があれば、脱水後あるいは乾燥させた後に、再度お洗たくをおすすめします。

花王公式サイト 製品Q&A

グーンの場合

脱水後の洗濯物を振り、できる限り付着したゼリー状のものや繊維を落としてください(床に新聞紙などを敷き、その上で振ると、後始末が便利です)

洗濯槽内部に残ったものはティシューペーパーや布などできれいに取り除いてください。くず取りネットの中や排水口も確認してください。

洗濯物は乾燥機を使わずに自然乾燥させた後、衣類をよく振って落したり、残っている付着物は再度ブラシや粘着テープ等で取り除いてください。

エリエール公式サイト Q&A

まとめ

おむつを洗濯してしまったとき、塩や重曹を使っておむつを除去する方法はおすすめできません。衣類や洗濯機を傷めるわりに、大きな効果がないためです。

衣類や洗濯機内を乾かすだけで、塩や重曹を使ったときと同じ効果が得られます。より安全におむつを除去するのであれば、乾燥させる方法がおすすめです。

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この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
宅配クリーニングの教科書は「むささび式部」が担当しています。宅配クリーニングのホームページを見てはお得で便利なお店を探すのに夢中。すぐ食べ物を服にこぼすので、効果的な洗濯方法も研究中です。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。( 更新)

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