レザー好きが教える、レザージャケットの失敗しないクリーニングの選び方とおすすめ2店
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レザー素材には、水に弱く濡れるとシミになりやすい特徴があります。また、その他の素材でできた衣類と比べて、カビや傷などのトラブルが起こりやすい素材でもあります。
そしてやっかいなことに、レザー製衣類のほとんどが自宅で洗えません。ブラッシングやクリームを使ったお手入れはできますが、「洗う」には特殊な技術が必要です。
シミができてしまった場合には、クリーニング店に預けなくてはなりません。
しかし、クリーニング店には、レザーを洗う技術や設備がないお店もあります。大事なレザージャケットを預けるなら、皮革製品に対する知識や技術、専用の設備が整ったお店を選ぶ必要があります。
本記事では、レザー好きの私が失敗しないクリーニング店の選び方のポイントと、おすすめの2店について説明します。
今回取り上げる、おすすめのレザークリーニング店は、リナビスとキレイナです。
目次
この3つを見ればレザークリーニングで失敗しない
レザー衣類のクリーニングを選ぶときには、
- レザー製品専門の職人さんがいるか
- 補色サービスを取り扱っているか
- はっ水加工サービスはあるか
に着目して選ぶと、失敗しにくくなります。
3つのポイントのうち一番重要なのが、専門性です。レザー製品を取り扱うクリーニング店はたくさんありますが、知識・技術を兼ね備えた専門の職人さんがいるところは少ないです。
適当にお店を選んで預けると、シミが広がったり、無理な処置で生地が傷んだりする可能性があります。
日ごろからたくさんのレザー製品を取り扱っているか、あらかじめ確認しておくのが大事です。
そのお店がレザーに強いお店か知るためには、補色サービスがあるかを見るとわかりやすいです。補色サービスとは、レザーの上から染料を塗る作業です。
実は、レザーについたシミや傷は二度と消せないものがほとんどです。原因となった汚れを除去しても、一度ついてしまったものは完全にはなくなりません。
その代わり、補色作業をして色を塗り替えて、目立たなくすることはできます。補色作業を行ったレザー衣類は、どこに傷やシミがあったか、持ち主がわからなくなるほどきれいになります。
補色作業は、長年レザーに関わってきた職人さんにしかできません。染料の色合いの絶妙な調整や、細かい部分に塗っていく技術が必要だからです。
レザー衣類の補色サービスを提供するクリーニング店は、皮革製品の扱いに慣れていると考えられます。
3つめのポイントであるはっ水加工は、個人的にあると安心するサービスです。
皮革製品の特徴として、水に弱い点があります。私が以前書いたレザージャケットのお手入れ方法に関する記事でも買ったばかりのレザージャケットには、防水スプレーをかけるのをおすすめしています。
しかし、市販の防水スプレーは塗りムラができたり、防水効果の持続力が弱かったりするデメリットがあります。
クリーニング店のはっ水加工は、加工液に衣類をひたす形式が主流です。スプレーをかけるのと違って、ムラができません。効果の持続力も高いです。
はっ水加工で生地表面をコーティングすると、水分だけでなく汚れやホコリの付着も防げます。
今後のお手入れが楽になるので、クリーニングと同時に活用するのがおすすめです。
今回、サービスを比較するリナビスとキレイナは、この3点すべてをカバーする宅配クリーニングです。
リナビスは料金が一律でわかりやすい
リナビスは、創業60年の老舗クリーニング店が運営する宅配クリーニングです。
キャリア40年以上のベテラン職人さんが多数在籍し、技術力の高さが魅力です。2018年には、テレビ東京系列の人気番組「カンブリア宮殿」でも紹介されました。
一般衣類の宅配クリーニングもとても人気ですが、革製品の取り扱いができません。
そのかわり、特別な皮革クリーニングコースがあります。リナビスの皮革クリーニングの特徴は、種類ごとに料金が一律である点です。
革製衣類ならどれも一律の料金なので、長さのあるジャケットやコートが、お得にクリーニング可能です。
レザー生地を傷めないクリーニング
リナビスのレザークリーニングには、
- 洗い
- 乾燥
- 修復・メンテナンス
- 色補正
- 仕上げ
が含まれています。
洗い作業は、こだわりの水洗いです。通常のドライクリーニングは、溶剤と呼ばれる専用洗剤を使って洗います。しかし、シミやカビがついたレザー生地を溶剤で洗うと、素材が傷み光沢がなくなってしまいます。
かといって、普通に水洗いをすると型崩れや変色が発生します。
リナビスでは、職人さんが一つひとつ手作業で、専用の洗剤と泡で洗うので、生地を傷めず洗えます。
レザー素材のクリーニングでは、乾燥の工程も非常に大事です。レザーがしっかり乾かないと、カビやシミの原因になります。反対に乾燥させすぎても、ひび割れてカサカサになってしまうのです。
リナビスでは、素材にあった温度・時間・湿度を見極めながら乾かします。生地の劣化を最小限におさえてクリーニングします。
メンテナンスや色補正も、すべて職人さんの手作業です。素材がもつ本来の風合いを活かしつつ、汚れを取り除きます。
リナビスのレザークリーニング料金
私がリナビスのレザークリーニングで一番特徴的だと考えているのが、料金です。
リナビスの皮革・レザークリーニングには、
- 衣類
- バッグ
- 靴
- 財布(小物)
の4つのコースがあります。それぞれのコースごとに料金設定があり、すべて一律です。つまり、皮革衣類なら、ジャケットでもコートでも同じ値段でクリーニングしてもらえるのです。
衣類の種類ごとに、細かい料金設定ではないので、わかりやすいです。ほかのお店だと料金が高くなりがちなコートでも、お得にクリーニングできます。
それぞれのコースの値段は、以下のとおりです。
- 衣類:15,000円
- バッグ:25,000円
- 靴:17,000円
- 財布(小物):17,000円
料金は税別価格です。
どのコースもすべて送料は無料です。ただし、クリーニングするうえで特別な作業が必要となった場合、別途料金が発生する可能性があります。
別途料金が発生するときは、事前の見積もりで教えてくれます。
リナビスのレザークリーニングは、素材の種類や服の種類、大きさによって料金が変わらないのでお得。
大きさや素材を理由に、ほかのお店では高額でしかクリーニングできない衣類におすすめ。
リナビスの利用方法
リナビスのレザークリーニングの利用手順は、以下のとおりです。
- ネットで注文
- 後日届いた集荷キットに荷物をつめる
- 発送
- 後日見積もりメールが届く
- クリーニング後返却
リナビスの注文は、スマホやパソコンを使ってできます。24時間いつでも注文できるので、思いついたときにすぐできます。
私も一般衣類のクリーニングを利用しましたが、注文手続きには5分もかかりませんでした。
注文すると、後日集荷キットが自宅に届きます。なかには集荷用のダンボールや、着払い伝票などが入っています。利用ガイドの案内に従って、荷物を詰めます。
集荷キットの中には入っていませんが、水濡れが心配なら、ビニール袋に入れてからダンボールに入れるのがおすすめです。
工場に到着した荷物は、職人さんの検品を受けます。検品後最終の見積り金額がメールで送られてきます。この金額に納得できれば、クリーニング作業が始まります。
納期は最短でも1ヶ月はかかります。品物によってはもっとかかるケースもあります。近々着る予定のある服は、間に合わない可能性も考えて、早めの利用をおすすめします。
リナビスから集荷キットを発送したあとにキャンセルすると、キャンセル料金が商品価格の30%かかります。
キレイナのニーズに合わせた2つのコース
キレイナのコンセプトは、大事な服をずっと着続けられるように、メンテナンスすることです。
ファッションに関する知識をたくさんもった、女性の職人さんが中心に運営する宅配クリーニングです。
キレイナの技術チームは、もともとブライダル衣装や、歌劇団の舞台衣装のクリーニングやメンテナンスを行っていた技術スタッフです。
失敗が許されない衣装のクリーニングをしてきた方ばかりなので、職人さんの技術力はとても高いです。
ブライダル衣装や舞台衣装は、ほとんどがハンドメイドのものであるため、洗濯表示や素材表示がついていないものがほとんどです。
職人さんたちは、自分で衣類の状態を見極め、きれいにする作業を続けてきました。そのため、海外ブランド製で、日本の洗濯表示のない衣類でも、しっかりときれいにしてくれます。
キレイナのレザークリーニングには、2つのコースがあります。
汚れを落としてクリームで栄養補給を行うレザーウォッシュと、汚れを落としたうえで補色作業を行うカラーリフレッシュです。
手持ちのレザージャケットの状態に合わせて選べるので便利です。
2つのコースの違い
キレイナで、レザージャケットを洗うときに選べるコースは2つです。
- レザーウォッシュ
- 水洗いで生地表面についたホコリ・皮脂・汗などの汚れを落とす。そのあと、トリートメント剤で栄養補給を行う。
- カラーリフレッシュ
- 水洗いで汚れを落としたあとに、シミや傷の修復を行う。
汚れを落とすだけならレザーウォッシュ、シミや傷・変色が気になるならカラーリフレッシュを選ぶといいかと思います。
キレイナでは、レザー衣類の水洗いにこだわっています。レザーウォッシュ・カラーリフレッシュ両方のコースで水洗いを採用しています。
本来、レザー素材は水に弱くシミができやすいですが、職人さんが一つずつ手洗いすれば生地を傷めません。
レザーに付着しやすい汚れには、皮脂や汗などがあります。これらの汚れは、水に溶ける水溶性です。
しかし、一般的なドライクリーニングは水溶性の汚れに弱く、十分きれいになりません。また、ドライクリーニングに使う溶剤は石油と似た成分でできているので、洗い上がった衣類に石油っぽいにおいがついてしまう可能性があります。
わざわざ水洗いをすることで、汚れを完全に落とし、かつにおいを残さず洗い上げられるのです。
レザーウォッシュと、カラーリフレッシュの使い分けですが、個人的にはトラブルの有無で決めるとよいと思います。
生地に何もトラブルがなく、汚れだけを落としたいときはレザーウォッシュがおすすめです。シーズンが終わって収納する前などが最適です。
反対に、生地にトラブルがあって補修が必要な場合は、カラーリフレッシュコースがおすすめです。
カラーリフレッシュコースで対応可能なトラブルは、
- シミ
- 傷
- 色落ち
- 変色
などがあります。これらのトラブルは、上から染料を塗る補色作業で解決します。実際にシミや傷がなくなるわけではないので、注意してください。
ただし、職人さんが高い技術で対応するので、どこにトラブルがあったかわからなくなるほどきれいになります。
レザーウォッシュコースは、汚れだけ落としたいときに使う。特に、シーズンオフになって収納する前がおすすめ。
カラーリフレッシュコースは、汚れ以外のトラブル(シミ・傷など)があるときにおすすめ。
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宅配クリーニングのキレイナなら海外ブランド衣類や革つき衣類も洗える
キレイナのレザークリーニング料金
キレイナのレザークリーニングは、素材によって料金が違います。具体的には、牛・豚・羊の革と、スエード・ヌバック・ムートン素材で分けられています。
それぞれのクリーニング料金は、以下のとおりです。
レザー 牛・豚・羊 |
レザーウォッシュ | カラーリフレッシュ |
---|---|---|
ジャケット・ブルゾン | 12,000円 | 18,000円 |
コート | 18,000円 | 27,000円 |
パンツ・スカート | 7,000円 | 12,000円 |
グローブ | 3,000円 | 6,000円 |
レザー スエード・ヌバック・ムートン |
レザーウォッシュ | カラーリフレッシュ |
---|---|---|
ジャケット・ブルゾン | 15,000円 | 24,000円 |
コート | 20,000円 | 30,000円 |
パンツ・スカート | 10,000円 | 15,000円 |
グローブ | 4,000円 | 8,000円 |
料金は税抜き価格です。
そのほか、はっ水加工は1点1,800円+税~の料金で利用できます。衣類の大きさや素材によって料金が変わるので、事前に確認しておくのが重要です。
キレイナには、指定ブランドというものがあります。指定ブランド製品であれば、クリーニング料金が1.5倍になります。
指定ブランドには、エルメス・シャネル・ルイヴィトン・プラダ・グッチ・カルティエ・ブルガリがあります。
ブランド物のレザージャケットを預けると、料金が変わるので注意が必要です。
利用するときの注意点
キレイナの利用手順を、簡単にまとめると
- スマホ・パソコンから申込み
- 荷物の集荷
- 見積もり金額の確認
- クリーニング
- 衣類の返却
となります。
申込みは、スマホやパソコンからどこでもできます。一度会員登録すると、電話での依頼も可能です。何度も利用する可能性があるなら、会員登録しておくと便利です。
荷物の集荷は、ヤマト運輸です。段ボール箱も用意してもらえ、利用者が箱を準備しなくてもいいです。
ただし、レザー衣類は水に弱く、ダンボール箱に入れる前にビニール袋に入れておくのがおすすめです。輸送中に雨が降ったり、ほかの荷物から液漏れしても濡れる心配がありません。
荷物が工場に届いてから3~5日経ったら、検品結果と見積り金額を知らせるメールが届きます。内容を承諾すれば、クリーニングが始まります。
仕上がり品が工場から発送されると、発送完了のメールが届きます。お届け日は指定可能です。都合のよい日にあらかじめ設定しておくとよいです。
レザー衣類は、通常衣類と比べてクリーニングに時間がかかります。返却までには30日以上必要です。着る予定がある服はできるだけ早めに預けておかないと、間に合わないかもしれません。
はっ水加工するなら、さらに10日以上かかると予想されます。時間に余裕をもった利用がおすすめです。
送料は、
- 本州・四国・九州:片道900円 往復1,800円
- 北海道・沖縄:片道1,800円 往復3,600円
(税別)
です。
キレイナでは、クリーニング料金が7,000円以上だと片道送料が無料になります。また、12,000円以上で往復送料が無料です。
レザージャケットをクリーニングした場合、12,000円を超えるので往復送料が無料になります。
リナビスとキレイナの使い分け
リナビスとキレイナは、どちらもレザージャケットをきれいにする宅配クリーニングです。しかし、サービス内容に細かな差があるため、利用者のニーズによって使い分けると、よりお得に利用できます。
2社の使い分けをどうするか、料金やサービス内容をもとに考えてみました。
両者のレザージャケットのクリーニング料金を比べると、以下のとおりです。
- リナビス:15,000円
- キレイナ(レザーウォッシュ):12,000円
- キレイナ(カラーリフレッシュ):18,000円
一番安いのは、キレイナのレザーウォッシュコースです。安さを重要視するなら、キレイナがおすすめです。
ただし、1点問題があります。
キレイナのレザーウォッシュコースは、汚れを落とすだけのコースです。補色作業やメンテナンス作業は含まれません。
シミや傷があるレザージャケットには、向いていないのです。
さらに、キレイナには指定ブランド制度があります。エルメス・シャネル・ルイ・ヴィトン・プラダ・グッチ・カルティエ・ブルガリの製品は料金が1.5倍になります。
レザーウォッシュコースを選んでも、12,000円+税の1.5倍で18,000円+税の料金がかかってしまいます。
つまり、
キレイナのレザーウォッシュコースは、
- シミや傷などのトラブルがない
- 指定ブランド以外の衣類
がおすすめです。たとえば、衣替え前の汚れ落としにはとても適した宅配クリーニングです。
一方トラブルがある衣類や、ブランド品の衣類には15,000円の一律料金でクリーニングするリナビスがおすすめです。